トゥルキスタン夜話

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2009.06.30 Tuesday

ほんとうにごめんなさい。

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    今月の初め、私は日本ではほとんど知られていない「聖人」のもとへ行った。
    生けるメヴラーナ、シェイク・ナーズムのもとへ。
    http://en.wikipedia.org/wiki/Nazim_al-Qubrusi

    (まず、そのことを書こうと思ったのですが、話題は大きくズレます)

    旋回祈祷の行われた儀式に参加したあと、真夜中に帰途につく。暗い街をひた走りながら、興奮気味に車を運転する友人と話した。(ちなみに友人はこれを撮った人)


    その時、イエス・キリストの話になった。二人とも「面白いよね」ということで意見が一致したが、私がイエスを「婚前交渉による出生と低い家柄が気に食わないあまりに、既存の世界秩序を変えようとした身の程知らずな妄想狂」とみなして「面白い」といているのに対し、Oは愛の使者としてとらえていた。Oはいう。その「愛」を証明するために「彼は死んでみせることまでした」と。
    「そんなパフォーマンスが必要だったかなあ」と疑念を呈すると「死ななければ人々は分からなかったんだ」と彼は答えた。
    「死ななければ絶対に理解しないんだよ、人々は」

    死ななければわからない…?

    その夜は私は彼の言ったことを理解しなかった。と、いうかイエスという大昔の個性とらわれていて、このことの普遍性と悲劇性を理解できなかった。

    それから3週間後、私は自分が「死ななければわからない」愚かしい大衆そのものであったことを知る。
    そう、死ななければ馬鹿は治らない。
    私の馬鹿は「死ななければ」治らない。
    根本的には自分が死ななければ治らないが、誰かが死ぬと「部分的に治る」。
    そう、死なねば治らないのだ。
    治らなかったのだ。

    なにが言いたいかというと…本当にごめなさい、マイケル〜〜!

    ということ。
    …ハッチェンス?いや、勿論マイケル・ジャクソン。
    そう、ここで今まで通り、マイケルのあとに(笑)マークとかを付けてしまいたくなるんだが、もうししない、できない。
    本当に心からマイケル・ジャクソンに謝りたくてたまらない。謝ってどうなるわけでもないのだが。
    あまりに深い贖罪と後悔の念に取りつかれたため、どこかに自分勝手なこの転向を書かずにはいられない。

    たった5日前まで私はこの人を無視していたし、話題になれば小馬鹿にもしていた。
    「小馬鹿」も年季が入っていて、なんと25年にもわたってうっすら馬鹿にしてきたのである。
    一人の人をここまで継続的に小馬鹿にし続けるというのは一種の偏愛なのではないか、と思うほどだが、完全に「無意識」だった。
    マイケル・ジャクソン、と言えば全力で否定するのが当然だった。
    彼のCDを買うなんて、とてつもなく恥ずかしいことだと信じていた。

    そんな私が、フジテレビのマイケル死亡特番とかいうのを見た。
    まあ、薄汚いワイドショーのようなもので、もう司会者を見るだけで反吐が出る感じなんだけど、汚れたかつてのスパースターを扱うにはこうでなきゃ、という面々が揃っていた。
    勿論、いつもどおりの喜々としてゴシップを聞き流していたのだが、そこでスリラーのビデオクリップがノーカットで放映された。
    私は実に25年ぶりに…マイケル・ジャクソンが歌い、踊る姿を見た。

    …鳥肌がたった。

    同時に思い出した。どうして私がこの人を完全に無視してきたか。
    スリラーが原点だったのだ。

    当時私は小学生。なんの因果か夜中にこのビデオクリップを見てしまい(おそらくはベストヒットUSA)、「失禁するほど」おびえてしまったのだった。
    実は私、ホラー映画とかが大嫌いなのだ(なぜか静止残酷画像はOK)。
    ゲゲゲの鬼太郎ですら怖くて見られないような臆病な子供だった。
    ずいぶん大きくなるまで、花火が怖いと泣いていたし。
    そう「衝撃的な動画と音声」に激弱いのだ(笑)
    そしてこのスリラーを見てから、ホラー嫌いは決定的になった。
    以来ず〜っと避け続け、次に「怖い映像」を見るのは、実に15年後、1999年ウズベキスタンで友人から借りて徒然にみた「リング」である。
    それも一番怖い部分は最初見られなかった。
    テレビから貞子が出てきた時点で「きゃー」っと逃げ、その後はどうなったか分からないくせに「た…、たいしたことないじゃん」と言ったのだった。

    だから、ことあるごとに「今まで見た一番怖い映画は?」と訊かれたら、「マイケル・ジャクソンのスリラーのビデオクリップ」と答えてきた。
    真実なのだが、大人になってもそう言い続けたのは、誰にでもウケるからである。
    聞いた人はこともあろうにこの私が、まさか本当に震えあがったとは信じなかったかもしれないが、当時は子供だったから、本気で怖かった。もう3ヶ月くらい夜も眠れないくらい。トラウマという奴である。

    今回も「ノーカットでスリラーを放映する」と聞いて「あれ、ゴールデンタイムで流して大丈夫な映像だったっけ?」と身構えたほどだ。

    で、私は勝手に「マイケル・ジャクソンは私を脅かした悪いやつ」と恨んでいたし、その後思春期に入ってからは、オドかしたことを根に持って(?)ず〜っと、馬鹿にし続けた。
    ミリタリー調な黒い服に身を包み、鼻に皺をよせて「BAD!」とか、がなるように連呼している人なんて意地悪そうにしか思えなかったし。

    とにかく色々な意味で「怖い人」というイメージしかなかったので、ゴシップを鼻で笑ってやることで、一種の「悪魔払い」していたのだと思われる。
    勿論「We Are The World」がマイケル・ジャクソンのプロジェクトだったなんて全然知らなかった。
    いい情報に対してはアンテナが立っておらず、常に「圏外」だったのだろう。

    ところがその姑息な追悼番組でスリラーのPVを見てやはり「やっぱり怖い…」とかなんとか思いつつ、気づいてしまったのである。

    マイケル・ジャクソンて、スゴイんじゃないのか?、ということに。
    昔はゾンビにびびりまくりで、マイケル自体なんか全くみていなかったんだけど、マイケル自身がものすごくかっこいいのだ(特にポップコーン食べながら笑う顔!)

    嘘だろ?とわが目を疑った。あまりにも信じられないので、次にMTVの4時間特集をみた。次の日にまたスペースシャワーTVで特集を見た。そしてまたMTVの再放送、再々放送を見た時には涙が出てきた。

    なんという人を!なんという人を!失ったのだ。
    そして私はなんという人を!
    今まで馬鹿にしてきてしまったのだ!
    とんでもないバカ、お前こそが100回死ね、という感じだ。

    マイケル・ジャクソンを馬鹿にし続けた我が人生は汚れている!、とすら思う。いやほんとうに。
    今まで人生でロクなことがなかったのは、マイケル・ジャクソンをコケにしてきたせいでないか?とすら考える。
    真面目な話、メジャーなものに一瞥もくれず、冷笑的に敬遠するメンタリティが駄目なんじゃないかと。ていうか、この才能に全く気付かなかったなんて、ホント、節穴というか、…もうこんな目なんかくりぬき、こんな耳なんか切り落としたいくらいだ。
    ああ、25年前からやり直したいよ…。

    で、そう、閃いたのだが、マイケル・ジャクソンはひょっとしたら本当に現代のキリストではないのだろうか?

    昨日もスマップのへたくそな歌声にあわせてリズムを刻み、無礼な態度に対して「君たちの素敵な演奏で楽しませてもらったよ」と優しく労い、「サンキュー・フォー・エクセプティング・ミー(僕を受け入れてくれてありがとうね)」と礼を言ったマイケルの過去映像に涙が止まらない。

    ああ、そうさ、3年前も見ていたんだ、この番組、わざわざ。で、ソファにふんぞり返って、バカにしてたんだ、やっぱキモイ化粧だな、顔面崩れてやがるな、オーラなんかどこにも残ってないじゃないかって。相当金に困ってるんだ、こんな茶番につきあうなんて。ケッと思って全部見てからチャンネルを変えたんだ。でもなんでわざわざ見てたんだ?なんでいつもネットでマイケルの整形画像ばっかりみてたんだ?ああ、なんだこの気持ち。ああ、これは…ちょっと森田透が今西良を愛していると気づいた時のよーな(80年代アイコンの連続死のショックで腐った例えになってしまった…)、いや、やはり救世主を惨殺してしまったことに気づいた民衆の気持ちに近いのではないか。

    しかし、ああ、マイケルが整形さえしていなければ、ここまで誤解されなかっただろうに…なんという「火の衣(試練)」を彼は背負わされていたのだろう?
    そんな変な「十字架」でなければ、もっと容易に彼の本質は世間に理解されただろうに。
    「やりすぎな整形と加齢の相乗効果で顔が審美的に変になること」、そんな「業」っていったいなんの冗談なんだ?
    たったそれだけのことなんだが、ここまで滑稽かつ万人の条件反射的嫌悪を誘う汚点て他にあるだろうか?

    なお、突然だけど、整形失敗組といば、ピート・バーンズと可能恭子!あなたたちのことも(たぶん)愛していることをもう恥じないわ。ものすごく恥ずかしいけど、ことあるごとに愛を語るわ。そしていざ、死んだときに後悔しないように、何かと買い支えてそのヤバイ整形のメインテナンス料払ってくれるわ!

    (あと、麻生首相!私は彼を尊敬しています。
    これを読んで「げっ!麻生なんかとマイケルを一緒にすんなー!」と思った人、あなたは悪意あるマスコミ報道によって洗脳されています。
    あなたは本人が死ぬまで彼を理解できないことでしょう。
    それはとてもとても悲しいことだけれど、仕方がありません。
    私もマイケルが死ぬまで彼のことを全く尊敬できなかったので、それが分かるのです。
    でもとりあえず偶然「身近」に居ただけに、麻生首相に関しては見る目のあったこと、現役時代にその価値を把握していたことに関しては自分をほめたいです。

    で、このすごく蛇足な文章を書いた理由はね。
    「ずっとマイケルファンだった人は凄いけど、彼らが誰に対しても寛容で、いつも正常な判断力をもっているわけではない」と言いたいから。
    私はマイケルを死に追いやったうちの一人だが、その「見る目のあった」ファンですら他の誰かに同じことをするんだ、と言いたいから。
    人は所詮、偏見に曇ったマナコで誰かを殺すんだ、と言いたいから。
    これは避けられないこと。

    麻生なんか死んだって悲しまねーよ、と誰もが「今」思っているだろうことは分かっている。)

    とにかく、マイケル・ジャクソンは可愛らしく、かっこよく、素晴らしい人であり、最高のエンターテイナーだったのだ。
    いや、それだけでなく、本当に「現代のキリスト」のような存在だった。
    年季の入ったアンチ・マイケルで、死んだからって手のひらを返した最低人間の私が言うのもなんだが、もし同じように心が痛んでいる人はこの機会に「こっちの世界」にきてみることをお勧めする。
    マイケルはそれも許してくれるはず。


    【おまけ】
    マイケルで学ぶトルコ語♪

    http://www.megavideo.com/?v=MMYDBP4E

    http://blog.milliyet.com.tr/Blog.aspx?BlogNo=48098

    NOT:
    でもやはりマイケル・ジャクソンが白斑というのが、100%は信じられない私であった…。
    私は10代のころ、週12時間くらいを大学病院の皮膚科待合室で過ごしていた人間だ。
    色々な皮膚病を観察することが趣味だった、と言ってもいいが、マイケルの「段階を追って徐々に薄くなる」感じは白斑とは違う。
    あんな白斑見たことない。
    地の黒い肌や、色が抜けた部分に合わせて真っ黒や真っ白のメイクをしていた、というのはわかるが、では「綺麗な褐色に」メイクをしていた時期というのは一体なんなんだろう?
    そんな芸当ができるなら、他の白斑患者にも教えてやれ、と思う。
    すくなくともあれを「尋常性」白斑というのは変。

    裁判中に白斑と公式に認められた、というのも決定打になりえない。
    罹患者の少ない病気になった皮膚病患者は多くの病院を巡り、別々の診断を受けたあげく、半年くらいかかって、やっと大学病院で正確な診断をくだされた経験を持っているはずだ。
    最初に診断を受けたのも皮膚科医で、彼らは医大を卒業した皮膚科のエキスパートである癖に、誤診をし、とんでもない薬を出してきたりするのだ。
    皮膚病というのは、専門家ですら、正しい診断を下すのは難しい。
    ましてや「あんな特別のケース」は誰だって「とりあえず」白斑と言うしかないだろう。
    宮崎勤だって「多重人格」「統合失調」など精神医学の専門家によりバラバラの診断がなされていた。
    「専門家」の診断というのは意外にアテにならない。

    むしろ、あれは世界でただ一人マイケル・ジャクソンしか罹らない病気なのではないか?
    結構世界で一人しかかからない病気っつーのもあるもんだし。
    名づけて「MJシンドローム」とか。
    だから、むしろ「奇跡」と言い張ってくれたほうがまだ信じられる。
    処女から生まれた!と言い張る奴だっているんだから、「奇跡なんだよ」と言ってくれたっていいじゃないか。
    うん、あれは奇跡だ、聖人の証しだよ、きっと。
    100年後には「新・聖書」にそう書かれる気がする(笑)


    http://www.usmagazine.com/news/quincy-jones-michael-jackson-didnt-want-to-be-black-200927

    1994年の法廷での供述書において、法的な医療診断書を提出し、1984年にマイケルが尋常性白班、全身性エリマトーデスであると診断されていることを証言したArnold Klein医師のページ。
    典型的なビバリーヒルズの美容整形医というかんじ・・・。

    http://drarnoldklein.com/home

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