トゥルキスタン夜話

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2009.11.12 Thursday

文学をパクったトルコ人

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    セルカンは「NASAで働く人はみな軍人で自分は大佐」などと大法螺を吹いていた。
    私は彼がその発想を得た「出典」は、トルコ人作家アイシェ・クリンの大ベストセラー「アイリン(Aylin)」ではないか、と思う。

    オスマン朝のパシャ(将軍)の家柄に生まれた美人トルコ女性が多分野で世界を股にかけて(男も股にかけまくってるw最初の夫はアラブの王子)快進撃する話なのだけど、内容がなんかセルカンのハチャメチャともいえる「多才・天才自慢」に似ているのだ。

    セルカンというのは、よくモデル業(あれでモデルだよ?mankenlik!)を副業にしていると自慢するのだが、このアイリンはファッション・モデルのキャリアもある。

    それから紆余曲折を経て、精神科医になり、米軍大佐になり(こっちはホント。でも厳密には「中佐」と言うべきなのかも。とにかくトルコでは大佐扱いされている)、最後は自分の車に轢かれて謎の死を遂げる。
    勿論、米軍の大佐になるまでに、複雑な婚姻を経ているからなせる技なのだが、セルカンは「トルコ人も簡単にアメリカ軍の大佐になれるんだ!」と勝手に解釈してそう。

    ピン、ときたのはこの本の表紙の写真
    星条旗を前にポーズをとる「トルコ人大佐」!
    これって、いまや超有名になったセルカンの「コラージュ作品」にそっくりではないか!
    彼が宇宙服の星条旗に違和感を持たなかったのは、絶対この写真が頭にあったからだと思う。
    アメリカというのは「権威づけ」なわけだから、アイリンの写真を見ている彼としては宇宙服に星条旗がついていないと箔付けが足りないわけ。

    私はこのアイリンというヒロインを全く好きになれなかったのだけど(天才肌だけに躁病的で共感しにくい。堕胎しておいて、後年、不妊に悩むのも自分勝手な奴、というかんじ。ただ、実績はねつ造とか法螺じゃないし、本当に美人ではある)、とにかくトルコではバカウケした本なので(トルコ人は日本人と同じで西洋コンプレックスが強く、海外で活躍した自国民の話が大好き)、セルカンはこの通りのことを「自分もやった」ことにして、トルコで報道すればトルコ人は熱烈大喝采すると信じてそう。(ざっと流し読みするか、書評で要点を読むかしたのだろう。じっくり小説なんか読まない人間だから)

    そして、英語もロクにできず、欧米の事情に疎い愚鈍な日本人は、荒唐無稽な大法螺でも真に受けて、自分にひれ伏すことになると計算していたことだろう。(実際そうなっていたところが怖い)

    英語版がでているので、暇な方は読んでみると共通点がわかってもらえるかも。

    コメント

    なるほど、そんな小説があったのですね。『バカルーバンザイの8次元ギャラクシー』が「出典」かと思ってました。
    2009/11/12 11:21 PM by mango
    コメントありがとうございます。

    そちらだったら、もっと笑えますね(笑)
    恥ずかしながら、未見ですが、エレン・バーキンが好きだったので、是非見てみたいと思います。

    ただ、セルカン的に「日本とアメリカ」のハーフが大活躍する話というのは、トルコ人の活躍モノに比べて、あまり面白くないと思います。
    どちらも嫌いな国でしょうから(笑)
    嫌いというかナメているというか…。
    2009/11/22 3:32 AM by 蜜月

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