トゥルキスタン夜話

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2006.05.24 Wednesday

酔っ払った馬の時間 (ZAMANI BARAYE MASTI ASBHA)

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    「酔っ払った馬の時間」という映画をみた。
    昔、ベイオウルの小さな「二番館」で(今ではハマム・カフェになってしまったあたり)結構ながいこと上映していてた映画で、本来クルド語なのだが「フランス語」だということにして、トルコでの上映権を勝ち取ったということで話題になっていた。

    バフマン・ゴバディ監督が来土したときのアルカザール・カフェでのインタヴューがネット上に転がってたので情報を拾ってみる。

    まず、脚本がなく、村人の本物の生活を「そのまんま撮った」だけ、ということ。(日本語の資料でここまではっきり言い切ってたっけ?)

     あと、あの、マディという小人の青年は本当に病気だったらしい。イタリアかスイスで治療を受ける予定・・・だったらしいが、どうなったのだろう。(とにかくあの映画のあと3年間は生き延びたことは確かです。)
     主役のアヨブ少年(トルコ語ではなんとエユップとなっている!あの、歴代のスルタンが戴冠式をした金閣湾の奥にあるエユップ・ジャーミーのエユップです。)はいったん蒸発して行方不明になったが、そのあと同監督の「我が祖国の歌」と「亀も空を飛ぶ」でアシスタントとして働いたらしい。

     監督はエミール・クストリッツァのファンである。なぜかというと、「ジプシーたち」のイキザマにクルド人の姿を重ねるからだそうだ。(そういえば、「ジプシーの時」と「酔っ払った馬の時」って題名がそっくりじゃないか。)

    監督は「亀も空を飛ぶ」の次回作をトルコで撮りたいと思っている。

     ところで、この映画の子供たちは勿論辛酸舐めてるわけなのだが、最も辛いのはラバではないのか、と私は思う。
    だって、コドモらは愛に溢れていて、その心はとても豊かなのだ。
    スプートニックに乗せられたライカ犬より孤独な存在がこの世にあるだろうか・・・みたいな表現があったが、タイヤ(TBRタイヤって100キロ以上あるのだ!それを2個くくりつけられている)を背負わされ、無理矢理酒を飲まされて雪の中を行軍するラバほど惨めな存在がこの世にあるだろうか?
     ラバ好きには胸をしめつけられるよーな映画である。

    ラバはトルコ語では「katır」
    なんか、いかにも「アイノコ」って感じな単語だ。(katmakに由来するんじゃなかろーか。)
    英語でラバは「ミュール」って言うそうな。
    受験の時たまたま覚えて以来(絶対こんな単語、試験にでないだろう、と思うと覚えてしまう)、ミュール(つっかけのオシャレ用語)という単語を聞くといつもラバのことを思い出してしまう私なのだった。

    ところで、原題のクルド語だが・・・。
    まず、ザマンはアラビア語。
    最後についている「I」はペルシャ語とかと同じ接続詞(名詞をつなぐ)だろうか。
    BARAYEが分からない。(なんとなく、英語のFORと同根の単語『bara』の複数形、って気がするのだけど。つまり般若心経でいうところの羯諦羯諦『波羅』羯諦、ギャーテーギャーテーハラギャーテーの『ハラ』。つまりサンスクリット語の『para』・・・。でも違うかも)
    MASTは酔っ払った(ペルシャ語)。ウズベク語では良く使う単語だ。
    そしてまた「I」が入る。
    最も私が驚いたのがasbhaで、馬という意味なのだが、こ・・・これはサンスクリット語にもある、とっても古い単語だ(私がサンスクリット語の授業で最初に習った単語で、あのとんでもなく複雑な格変化はすべて『馬』で覚えていた。)こんなところでまた聞くとは。
    クルド語って、謎だ・・・。

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