トゥルキスタン夜話

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2006.06.09 Friday

便器を取って!いや取らないで!

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    以前ウズベキ語とトルコ語の、違う意味の単語をあげてみたことがあるが、また思い出したので、付け加えて置く。

    私がよく間違えるのベスト3に入るのは、『加える』kosmak(ウズベキ語)/koymak(トルコ語)だ。おそらく両方「komak」という古語から派生したもので(この「コマック」の「ko」と腕を意味する「kol」の関係は非常に匂う。)、ウズベキ語は「s」、トルコ語は「y」がくっついたものだと思われる。

    ま、それはいいとして、私にとって『加える』はなんだかもう「コシュマック」に定着してしまっていて、トルコにおいて「それもおまけにつけて!」とか「袋に入れて!」とかそういう場面で「コシュ!コシュ!」と叫んでしまう。突然「走れ!走るんだっ!(どこへだよ?)」と言ってるわけなので、ふと気づくとかなり恥かしい。ちなみに「ラン、ローラ、ラン!」というドイツ映画のトルコ語の題名は「コシュ、ローラ、コシュ!(走れ、ローラ、走れ)」だった。しかも論文など真面目な文章でも「ここに加えられるべきは〜」というところで、また「ここで走るんだッ!」などと書いてしまう。

    もっと恐ろしいのは、意味が違うだけではなく「正反対」の単語というのがあるということだ。氷をバナナと言っているうちは、「わけわかんない」で済むが、意味反対というのは意味が「反対に」通じてしまうから怖い。

    たとえば、トルコ語、ゾル(難しい)はウズベキ語で「素晴らしい」。
    ウズベキスタンでM先生は「ゾル」な先生だろ?と聞かれ、いいえ、ちっともいい先生ではありません!と断言した前科が・・・。

    ウズベキ語ヤマン(悪いという意味で非常によく使う単語)=kotuは、トルコ語で専ら「よくできた」、という意味で使う。
    私はトルコで「ヤマン家具」というところで家具をそろえた。(ちなみにここ。→http://www.turkindex.com/english/firma_ayrinti.asp?fid=95737&uid=0&id=1127)「ロクでもない家具屋」というパンクな名前が気に入ってたのだが、別に店側にどうやらそうな意図は毛頭なかったみたいだ。「いい仕事してますよ〜」とアピールしていただけなのである。

    あと最大の椿事を引き起こしたのが「kaldirmak」
    トルコに居た時、どういうわけか、家に3箇所もトイレがあり、トイレひとつを改修して風呂場にするために、便器を「どかせ」と修理屋を呼んだのだが、「kuveti kaldirmak mi istiyorsun?」という質問を私は「便器は残したいのですね?」という風に受け取り、「hayir, istemem!!」と答えてしまった。私としては、「便器は残したくない、とっぱらってくれ!」と言ってるつもりなのだが、修理屋は「便器をどかせば(kaldirmak)いいんですね?」と質問をし、私はそれに「いや、便座は残してください。」と頼んでしまったことになるのだ。その上バスタブを入れたい、と要望したので(つまり修理屋からしてみると、私は便座もどかさず、そのスペースにバスタブを入れろ、と要望していることになる)、「そんな無茶なことできるわけないだろー!」と話はこじれにこじれてしまった。

    つまりトルコ語のkaldirmakは「上に持ち上げて、取りはらう」と意味であり、ウズベキ語のkaldirmakは「そのまま置いておく」の意味なのだ。トルコでも「kalmak」は「その場にいる」の意味だから、ettirgenをつけた使役形「kaldirmak」は「その場に居させる」の意味になるか?と思うとこれが違うのである!トルコ語の「kaldirmak」は意味的に「kalkmak」の使役のようだ。

    あとは凡ミスをおかしがちなのは、sormak/soramak(質問する)とか、kolay/kulay(簡単な)意味が同じでびみょーに発音が違うというもの。

    …とにかく似た言語を覚えるというのは簡単そうに見えて、結構神経を使うのであった。

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